名古屋帯の種類と使い分けについて

名古屋帯は仕立て前の段階では2種類に分けられ、片方は九寸名古屋帯で、もうひとつが八寸名古屋帯です。

前者は仕立て前では幅は35cm程、後者は30cm程になります。

また前者の帯は端を折り曲げて形を整えながら作るのに対して、後者の帯はそのままの状態で作られます。

加えて厚みに関しても違いがあるので仕上げ方も異なります。

前者の帯には厚みがなく、仕上げに帯芯を入れますが、後者の帯は初めから厚みがあるので帯芯は入れません。

さらに帯はいつどこへ出かけるのか、またどのような着物を着るのかで使い分けることが可能です。

また結婚式場に着物を着ていく場合、適しているのは袋帯の方なので長さが足りない、または短い帯を使うことがありません。

結婚式上はお祝いの場であるので、良いことが重なりますようにという願いを込めて二重太鼓になるように帯を締めるのが縁起が良いとされているので、結婚式にはあまり身に付ける方はいません。

また簡略化されて仕立てている帯なので正装で着物を着る時にもあまり用いる機会は少ないと言えます。

しかしセミフォーマルやカジュアルに使うことが可能で、浴衣や普段着で着物を着る場合、帯を用いることで落ち着いた雰囲気に装うことができます。

浴衣の生地も派手ではなく落ち着いて見える色や、素材も綿紅梅や綿紬となどの上質な生地の着物を選んで組み合わせると、簡素に仕立てられている帯が着物を引き立てるので上品な着こなしができます。